子供の手を引っ張ったら、腕を動かさなくなったんです…
子供の手を引っ張ったら、腕を動かさなくなったんです…
先日、肘内障（ちゅうないしょう）になった男の子が、急きょ飛び込みで来院しました。
肘内障というのは、接骨院や整形外科ではかなりメジャーな症状です。
小さなお子さんのいらっしゃるご家庭では、経験されている方も多いのではないでしょうか。わが子も３～４回、やっちゃってます。
ただ、初めて肘内障に遭遇した時は、かなりビックリしますよね💦
肘内障になるのは、就学前の小さなお子さんが殆どなので、本人が症状を上手く説明できないという事もあって、どうしたら良いのか、周囲の大人はただただ途方に暮れてしまう事が多いと思います。
そこで、今回は肘内障についてご紹介したいと思います。
肘内障（ちゅうないしょう）って？
前述した様に、肘内障は歩き始めから小学校に入るくらい、特に１～３才の幼児に起こりやすく、上手に症状を説明できない年頃の子供達が殆どです。
（中には、小学生でも肘内障になる子もいます。個人差があります。）
肘内障はどんな症状かというと、「肘が抜けかかった状態」です。
小学校に入る前くらいの小さなお子さんは、関節部が未発達のため、肘の一部が靭帯から抜けやすくなっています。
その為、腕を「不意に」引っ張ったり捻ったりすると、肘の靭帯から肘の外側の骨（橈骨頭）が外れかかる（亜脱臼の) 状態になってしまいます。
これが肘内障です。
腕に力が入っていない状態で急激に力を加えると発生しやすいです。
中には、寝返りで肘内障になったお子さんもいらっしゃいました。
何才まで起こるの？
小学生の頃になると、骨がしっかり成長して関節も完成するので、肘内障は発生しにくくなりますが、絶対ではありません。前述した様に小学生でもなる子はいます。
そして、肘内障に一度なると繰り返す可能性があるので、注意が必要です。
どんな風になるの？
肘内障になった時の子供の症状としては、
・肘を痛がるが、腫れや発赤はない
・肘を曲げられない
・肘を触られる事を嫌がる
・前腕が内側を向いている
・腕をダランとしたまま動かそうとしない
・泣き方がいつもより激しく、火がついた様に泣く
など挙げられますが、お子さんによって、また肘の状態によって
・腕を半分くらいなら挙げられる
・最初は泣いていたけど、しばらくしたら泣き止んで遊び始めた
（ただし肘内障の方の腕は使わない）
という場合もあります。
そうなんです。泣き止む事もあるんです。
これには、私もそうですが、たいていの大人は「大丈夫かもしれない」と思ってしまいますよね。
ただ、肘内障は早目に整復した方が良いので、何かの拍子に肘を痛がった場合は、様子を注意深く見て頂けたら、と思います。
キラキラ星の手の動きーー肘を曲げて手の平を内外内外とヒラヒラさせる事が出来れば大丈夫です。
注意ポイントは？
注意ポイントとして
- 肘部に腫れがある
- 肘を触られるのを嫌がるだけでなく、押すとものすごく痛がる
- 肘以外でも、押すとものすごく痛がる場所がある
などがあれば、骨折の疑いも出てきてしまいます。
肘部だけでなく鎖骨や肩、手首辺りの骨折でも、肘に痛みが出る事があるので、上の３つのポイントはよく見てあげて下さいね。
男の子はどうなった？？
先日、来院した男の子は、前日の夜、お母さんの見ていない所で肘内障になってしまったそうです。
最初は泣いていましたが、すぐに泣き止んだので様子を見ていたそうですが、朝になって腕を使っていないのを見て、お母さんがどこに行ったら良いのか迷いながらも来院して下さいました。
来院時ですでに12時間以上経過していましたが、無事整復完了。
整復後、ニコッと笑って「治ったー😄」とミニカーで遊ぶ男の子を見て、本当に安心しました。
肘内障は、肘さえ戻ってしまえば、子供達はケロッと普段通りに戻ります。
特に、固定や特別な処置、通院なども必要ないのが特徴です。
今週の看板
さて、今週の看板は、いわゆる「五月病」の予防、対策についてです。
はっきりとした症状がなくても、何となく元気でないかなぁとか、感じる事もありますよね💦
少しでも、この情報が役立ってくれたら良いな、と思います。
また、あのイチロー選手が、かつて一度だけ野球を辞めたいと言ったのも、五月の事だったそうです。
どんなお話だったのか、また看板を楽しみにご覧下さい！
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